2026年6月18日、東京農業大学第二高等学校にて高校1年生591名を対象とした金融出前授業を開催いたしました。当機構の認定講師である細田佳代が登壇し「将来に生きる資産運用と投資の本質」をテーマに、これからの時代を生きる若者たちに必要な金融リテラシーと社会との繋がりについて講義を行いました。

18歳成人の導入に加え、来年からは「こどもNISA」の新たな展開が予定されるなど、若年層における金融教育の重要性はかつてないほど高まっています。今回の授業は、同校の中高一貫コースをはじめ、GEコース(グローバル・アントレプレナーシップ)、Ⅰコース(進学選抜)、Ⅱコース(自己探究)、Ⅲコース(クラブ選抜)すべてのコースに所属する1年生全員を対象に実施されました。単なる「お金の貯め方」にとどまらず、社会の仕組みや経済の歴史と結びついた「投資の本質」を理解してもらうことを目的としています。
授業の様子
授業は、生徒たちの身近な疑問を解き明かすクイズからスタート。30年前と現在におけるマクドナルドのハンバーガーの価格、ディズニーランドの入場料、平均年収、退職金の比較を通じて、物価の上昇(インフレ)とお金の価値の変化を体感してもらいました。生徒の代表者が「年収は30年前より下がっているのではないか」と鋭い予想を立てるなど、周囲の生徒同士で話し合いながら熱心に考える姿が見られました。
1. 預金金利と株式投資の比較・iDeCoの解説
日本の定期預金金利の推移や家計金融資産のデータを紹介し、預金だけに頼るリスクと、複数の手法で資産を形成していく意義を説明しました。20年間の運用シミュレーションを通じて、一見魅力的に見えるNISAなども短期的には資産が減少するリスクがあることを明示。「近い将来に使うお金は預貯金で、遠い将来に備えるお金は投資で」という、期間に応じた使い分けの重要性を伝えました。また、公的年金制度を補完するiDeCo(個人型確定拠出年金)の仕組みや複利効果についても解説を行いました。


2. 社会ニュースから学ぶ「投資の基礎」
授業の1週間前にNASDAQに上場したばかりの「スペースX」を事例に挙げ、株式の発行市場と流通市場の仕組みを解説しました。イーロン・マスク氏や「X(旧Twitter)」の話題にはほぼ全員の生徒が反応し、身近なニュースと市場のつながりに深い関心を示していました。さらに、ニュースで話題となった店舗での迷惑行為による経済的損失や、大手家電量販店の経営統合といった実際の事例を題材に、株価が変動する要因について解説。「ギャンブル」「投機」「投資」の決定的な違いについて、本質的な学びを提供しました。
3. 投資先企業の選び方と長期投資の大切さ
親しみのあるテーマパーク(ピューロランド)やカラオケチェーンの優待事例、また長寿企業(住友林業など)の事例を引き合いに出し、企業を応援し共に成長を見守る「長期投資」の大切さを解説しました。個別企業を選ぶのが難しい場合の選択肢として、投資信託や債券投資信託の仕組みについても触れました。


生徒・教員からの感想
授業終了後には、「以前学校で受けた金融教育をきっかけに、母親とNISAを始めてみたいと考えているがやり方がまだよく分からない」といった具体的な質問があり、銀行口座と証券口座の役割や仕組みについて個別にアドバイスを行う場面もありました。
また、先生からは「現在アントレプレナーシップ教育において『どのような企業であれば投資してもらえるか』という授業を行っており、今回紹介された『100年以上続いている企業』のお話は大変参考になった」とのコメントをいただきました。
関連リンク▼
東京農業大学第二高等学校公式ホームページ:1学年対象 金融教育講座を実施




東京農業大学第二高等学校様においては、今回の出前授業を皮切りに、当機構が主催する「FESコンテスト」への作品応募、ワークショップ(WS)への参加、さらに7月に予定されている「実用金融スキル検定」の受検実証へと、学びの導線が続いていきます。
当機構はこれらの一連の流れを一つの効果的な教育サイクルとして定着させ、今後も全国の教育現場における質の高い金融リテラシー向上を支援してまいります。


