
2025年7月9日、香川県の大手前高松中学・高等学校にて、中2・中3・高1の総勢146名に対し、90分のオンライン授業を実施しました。今回の授業は、弊機構の教員アンバサダー・合田意先生と連携し、認定講師として奥居剛史、長尾由芳が登壇しました。
授業の様子
前半
授業の前半は、金融教育の実践機会として注目される「FESコンテスト」の概要を紹介するとともに、応募・受賞に向けた戦略的なアプローチについて生徒と共に探求しました。コンテストの目的や審査基準、これまでの受賞作品の傾向を分析しながら、「何を伝えるか」「誰に届けるか」といった視点を持つ重要性を学びました。実際にアイデアの種を見つけるワークにも取り組み、生徒自身が社会課題と自分ごとを結びつけるきっかけとなりました。
また、「人類に貢献する」というビジョンを掲げて革新を続ける起業家イーロン・マスク氏の人生を題材に、アントレプレナーシップ(起業家精神)に迫りました。学生の興味を引き出すため、イーロン・マスクの挑戦に関するクイズを交えながら、成功の裏にある失敗や学びに焦点を当て、固定観念にとらわれない発想や、行動する勇気の重要性を伝えました。


後半
後半は、前半に取り上げたイーロン・マスク氏が経営する企業・テスラ社の上場以降の株価推移を題材に、「お金の8つの力」の中から「増やす」「借りる」「贈る」に焦点を当てて学びを深めました。
まず「増やす」では、株価が動くメカニズムについて、企業の業績や将来性といった内部要因と、景気・政策・社会情勢などの外部要因を整理。あわせて、投資と投機の違い、18歳から始められる投資についても触れ、将来に向けた“選択肢”としての金融リテラシーを育みました。


続いて「借りる」では、「借金=悪」というイメージを問い直し、夢を叶えるための借金や利益を生むための借金が存在することを紹介。生徒自身が「良い借金」と「悪い借金」の違いを考えるきっかけとなりました。
最後に「贈る」では、クラウドファンディングや寄付の多様なかたち、ペイフォワード(恩送り)といった実践的な例を紹介し、お金の使い方には“社会とつながる”という選択肢もあることを伝えました。

経済のしくみとともに、「お金は自分や社会の未来を形づくる道具である」という視点を養う、探究的な授業となりました。
合田先生からコメント

本校は昨年度に初めて「第2回FESコンテスト」に参加し、3名の生徒が入賞しました。今年度はより良い結果を目指すことはもちろん、それ以上の目的として「中高生のうちから金融リテラシーを高めることがとても大切!」と感じ、今年度も金融教育出前授業を開催しました。
どうしても「借りる」というと多重債務や破産などのイメージを持ちがちですが、自分の思いを形にするためには資金調達はとても大事です。今回の授業を受けた生徒たちには、将来起業したり事業拡大したり、自分の将来に備えた投資をしたりといった際、お金とうまく付き合いながら社会をリードする存在になってほしいと願っています。