FESコンテスト企画:香川県大手前高松中学・高等学校にて 中2、3年生対象に50分×2の金融探究授業を実施

2024年7月17日、香川県にある大手前高松中学高等学校の中学2年生3年生120名の皆さんに金融教育授業を実施いたしました。

講師は一般社団法人日本金融教育支援機構の川上真由美、サポートで理事の平井梨沙が務めました。

お金の8つの力のうち「増やす」と「借りる」に焦点を絞り授業を展開しました。大手前高松中学高等学校の建学の精神のひとつに「指導的社会人を育成する」とあり、企業で中心となって事業を拡大したり、起業したりする時に必要となる様々な資金調達を学んでほしい、と担当教諭の合田先生からご提案頂きました

FESコンテストへも「借りる」「増やす」をテーマとし、エントリーしてくれる予定です。

【講義内容】

学校で活用されている「ロイロノート」を使い、生徒たちには手元のタブレットでクイズやグループワークに取りくんでもらいました。香川県と同じ瀬戸内海に面した場所から始まった世界的企業、ファーストリテイリング(ユニクロ)を教材とし、資金調達の観点から「増やす」「借りる」について講義しました。今年が初出店から40年、上場から30年であること、誰もが知っているブランドであること、株式上場の道のりに香川県とも関係がありそうなことなどが、題材に決めたポイントです。投資も融資も未経験で難しかったはずですが、生徒さんたちは真剣に考え頷き、グループで話し合う姿が印象的でした。疑問が残りそうな場所は、「自分で調べてみよう」と声を掛けながら進めました。ロイロノートの達人である合田先生のおかげで私たちも生徒さんの回答を即座に確認でき、時折シェアしてもらいながら進めました。

【 前半 】

自己紹介などで証券会社の仕事の一つ「上場のお手伝い」に関心を持ってもらった後、ユニクロクイズを始めました。発祥の地は?40周年にやったことは?グループの正式名称は?の3問に、それぞれ「会社の原点と地域性」「マーケティング戦略」「目標設定と実行」の意図を込め、資金調達の必要性へと繋いでいきました。商品を知ってもらうため店舗を増やしたい、そのために株主を増やしたい、そのために上場したい、という段階の頃に香川にも初出店した、という話題を応答形式で展開しました。上場を果たしたあとは株価は大きく変動したが、期待に応えるべく成長し続けた結果が今の株価にあることを伝え「増やす=上場による資金調達」を学びました。

【 後半 】

上場という目標達成のために店舗展開を拡大(実際には製造工程の仕組み作りの資金などもあるが今回は割愛)するために融資を受けた話に触れていくため、「借りる」ことをまず、自分の周りで起きる「借りること」で、グループで話し合いました。貸す側になって考えた時、信用出来ないと貸したくない、という理由から、借りるためにはそれまでの実績と目標達成の見通しなどが必要と気づく生徒もいました。

【アンケート結果】

授業終了後、アンケートの協力をお願いしたところ、非記名にもかかわらず9割近く回答してくれました。今日の学びを誰に伝えたいですか?との質問に対し、「親」の回答が大多数でした。子どもさんの学びを通し、親子でお金について話すご家庭が増えるのはとても嬉しいことです。

もっと学びたいことは「増やす」「稼ぐ」が圧倒的に多く、指導的社会人になる人材として頼もしく感じました。授業内では時間の都合上抽象的にしか伝えられなかった「株価の上下する要因」「貸出金利」「世界規模へと躍進する原動力」なども目立ちました。動画制作への意欲、紹介した昨年の動画についてのコメントも多く、どんな作品を提出してくれるかが楽しみです。

全体を通じて

投資家と投資先企業との関わりは期待と信用で成り立っているということを授業の核とし、難しい話題を自分ごとに捉ええてもらえるよう、マッチング、友だちとの関係、成績などに置き換えて伝えました。

今回は「ユニクロ」を題材に使いましたが、どの企業にも理念や目標はあり、自分の好きな会社について調べてみてもおもしろい、とお伝えしました。

地方の小さな商店であっても世界一の会社になることが出来る。強い決意と高い目標からぶれないこと、初心を大事にしていることで信用され、事業拡大に繋がり、期待されてお金も集まってくる、ということが伝わっていれば幸いです。

ロイロノートの活用で、より主体的で対話的な授業を行えました。日々生徒さんのことを思いながら接し、学校の理念に沿ってご指導されている先生とのコミュニケーションにより、それぞれの学校に見合った授業作りが成せると感じました。ICT実践をはじめ、未来を築く子供たちのために新しい教育に尽力される先生方の一助となれるよう、私どもも研鑽し金融教育の推進に努めてまいります。

教員アンバサダー:合田先生のコメント

本校では中学3年で身近な課題を解決するビジネスアイデアを考える「Social Business」という授業があります。問題発見能力やアイデア提案の力が上昇しているのは見受けられるのですが、コスト感覚などの金銭面に関する知識不足を感じていました。今回の授業をきっかけに、他者から支援してもらったお金を元に社会に価値を提供するという感覚を持ち、アントレプレナーシップを持った中高生に成長してくれることを期待しています。今後の彼らの成長が楽しみです。

ご案内

一般社団法人日本金融教育支援機構では、要望に応じた金融教育のカリキュラム作成と講義を実施しています。

学校ごと、学級ごとのニーズをお聞きするところからお引き受けしておりますので、金融教育の授業を企画されている学校関係者の方は、ぜひお気軽に当機構までお問い合わせください。

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